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▼この記事の①~③までは前編です。
▼この記事の④⑤は後編です。
介護福祉士国家試験で間違いの選択肢としてよく出てくる以下の5つを説明します。
①利用者さんを否定する選択肢はダメ!
例1)
認知症でご飯を食べたことを忘れてしまった利用者さんへの対応の選択肢
→「さっき、食べたばかりですよ」
例2)
知的障害がある自閉症の利用者さんが興奮して、他の利用者さんを叩いてしまったときの対応の選択肢
→「人を叩くのは許されません」
解説
これらの選択肢は、利用者さんの行動や気持ちを否定しており、利用者さんの自尊心を傷つけてしまいます。
利用者さんと信頼関係をつくるためには、利用者さんの言葉や行動をありのまま受け止める「受容」や、利用者さんの立場に立って同じ気持ちになる「共感」が大切です。ですから、利用者さんを否定する選択肢は選んではいけません!
②介護職が利用者さんの行動を決める選択肢はダメ!
例1)
「介護職の判断で、食事前に利用者さんにエプロンをつける。」
例2)
「(晩ごはんの時間を)グループホームで決められている時間に合わせてもらう。」
解説
1つ目の例は、介護職の考えで行っていますから、利用者さんの自己決定の機会をなくしてしまっています。国家試験では、利用者さんの自己決定を尊重します。
また、2つ目の例は、個別ケアではなく集団ケアをしてしまっています。国家試験では、集団ケアではなく、個別ケアを大切にします。ですから、介護職や施設が利用者さんの行動を決めてしまう選択肢は選んではいけません!
③家族の介護負担が増える選択肢はダメ!
例1)
一人暮らしをしている利用者さんへの発言
→「息子さんと同居したらどうですか」
例2)
終末期にある利用者さんの家族への発言
→「毎日面会に来てください」
解説
ご家族には、もしかしたら他にも介護が必要な高齢者がいるかもしれません。子育てをしているかもしれません。仕事があるかもしれません。家族には家族の事情、理由があります。介護職は利用者さんのことだけではなく、家族のことも考え、大切にしていく必要があります。
ですから、家族の介護負担を増やす選択肢は選んではいけません!
④施設へ入所をすすめる選択肢はダメ!
例1)
自宅で死を迎えたい(死にたい)と思っているけど、不安もあるご夫婦への対応
→「夫婦で入居できる施設を探しましょう」
例2)
認知症の利用者さんがいる家族への対応
→「利用者さんの施設入所をすすめる」
解説
国家試験では、住み慣れた場所や地域で暮らし続けることが良いとしています。そのため、介護職は利用者さんの希望をきちんと考え、その範囲で出来るケア、使えるサービスを行うのがいいですね。
ですから、施設への入所をすすめる選択肢は選んではいけません。
⑤薬に頼る選択肢はダメ!
例1)
睡眠薬を飲んでも眠れない利用者さんが「眠れない」と訴えた時、「追加して飲むように伝える」
例2)
「高齢者の便秘には、下剤の服用を優先する」
解説
薬を使うかどうか、どのくらい使うかの判断は医師が行います。市販薬(処方箋がなくても買うことができる薬)も、介護職の判断で使ってはいけません。介護職は足浴を行ったり、便秘のマッサージをしたりと、薬を使う前にできるケアを考えます。
ですから、薬に頼る選択肢は選んではいけません。
最後に
ここまで見てきた5つは良く出てくる間違いの選択肢です。なぜ間違いなのか、国家試験が大切にしている考え方は何なのかも合わせて理解しておくと確実ですね。
みなさんが合格しますように!
<ご参考> ★介護福祉士国家試験対策の本★
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